アーユルヴェーダでは、地、水、火、風、空の5つのエネルギーによって季節の変化が作り出されると考えます。
季節の移り変わりに影響を受け、ヴァータ、ピッタ、カパという3つのドーシャも変化します。
季節の過ごし方
アーユルヴェーダの古典「チャラカ・サンヒター」や、「スシュルタサンヒター」には、「リトゥチャリア」と言う、季節の過ごし方に対するアドバイスが書かれています。
アーユルヴェーダでは、太陽の動きに合わせて、一年を6つに区切ります。それぞれの季節に合った過ごし方や食事をすることにより、健康で長生きが出来ると考えられています。
シシーラ・ルトゥ | 厳冬。2月~3月中旬 |
ヴァサンタ・ルトゥ | 春。3月中旬~4月 |
グリシュマ・ルトゥ | 夏。5月~6月 |
ワルシャ・ルトゥ | 雨季。7月~8月 |
シャラダ・ルトゥ | 秋。9月、10月、11月 |
へーマンタ・ルトゥ | 初冬。12月~1月 |
ドーシャと季節の移り変わり
季節によるドーシャやエネルギーの移り変わりです。それぞれの季節によって、特定のエネルギーが優勢になります。
カパ
春
カパの季節である春は、地と水の影響を受けます。
冬の間に油分や水分の多いものを食べ過ぎたり、運動不足になるとカパが増えます。
春になると、冬の間に増えたカパが溶け出して、カパの過剰が原因の花粉症などが起こったり、体にだるさや眠気を感じることがあります。
梅雨
梅雨の季節は、水のエネルギーの影響を受け、体がだるくなりがちです。
水のエネルギーが過剰になると、火のエネルギーを消してしまい、消化の力が落ちてしまいます。
春の間に汗をかくくらいの運動をして水のエネルギーを減らしておくと、この時期に体調を崩すのを防ぐことが出来ます。
ピッタ
夏
ピッタの季節である夏は、火と水の影響を受けます。
火のエネルギーで代謝が促進されるので、体力が消耗し疲れやすくなる季節です。
冷房の効きすぎた部屋にいて体を冷やしすぎたり、冷たいものを摂りすぎたりすると、水が増え、消化の火が減り、食欲が落ちてしまう原因となります。
湿疹や下痢、食欲不振や夏バテなどの症状が出やすくなります。
ヴァータ
秋から冬は、風と空の影響を受けます。
秋
秋は、ピッタとヴァータの影響を受けます。
移り変わりやすい風と空の影響を受けて、情緒不安定になることがあります。
気候の変化が原因で、風邪や扁桃腺炎などになりやすいのは、夏にピッタが増えるため。身体を温めて、適度に汗をかくことが大切です。
冬
冬は、空気の冷たさや乾燥というヴァータの影響を受けます。
消化力が高まり食欲が旺盛になりますが、食べすぎるとカパが過剰になり、春先にだるさや眠気、花粉症などの症状が出ますので注意したいところです。
冬はカパが蓄積しやすく、寒さでヴァータが乱れやすくなります。
カパもヴァータも冷たいドーシャなので、反対の温かい食べ物や飲み物を摂るようにします。