今日は、前回までにお話しさせていただいたアーユルヴェーダについての補足を書きたいと思います。
今まで書いた内容と重複するかもしれませんが、理解を深めるために私の備忘録として書いています。
アーユルヴェーダについてのまとめ
アーユルヴェーダでは、自然界に存在するすべてのものに地、水、火、風、空の5つのエネルギーが働いていると考えます。
この5つの自然エネルギーのうち、地と水の組み合わせがカパ、火と水の組み合わせがピッタ、風と空の組み合わせがヴァータを作り出します。
私たちの体も5つの自然エネルギーから影響を受けて生きています。
私たちの体は、大きく分けて3つの体質(ヴァータ、ピッタ、カパ)に分かれます。これをトリドーシャと呼びます。
ドーシャとは、「増えやすい」という意味です。
アーユルヴェーダでは、生まれつきの本質(プラクリティ)は変わらないとされますが、私たちの体は、5つの自然エネルギーに影響を受けて、ドーシャのバランスは変化します。
ヴァータ、ピッタ、カパのうち、どのドーシャが増えやすいかということがその人の持って生まれた本質(プラクリティ)となります。
5つの自然エネルギーは常に変化しています。季節を例にとっても、春、夏、秋、冬と一年を通して常に変化しています。その影響を受けて、私たちのドーシャのバランスも常に変化しています。
例えば、ヴァータ体質の人は、バランスを崩すと、ヴァータが増える傾向にあります。その場合は、ヴァータを静める食事や生活習慣(運動や日常の過ごし方など)を行うことが大切です。
アーユルヴェーダでは、その人のもつ本質や年齢にあった生活を送ることが大切だと考えます。
アーユルヴェーダのいう本質「プラクリティ」とは、生まれ持った性質や体質、本来のその人の状態です。
アーユルヴェーダの起源
アーユルヴェーダは、現存する伝統医学の中では最も古いといわれています。今から5,000年前に、古代インドの聖者であるリシたちによって、病気に苦しむ人たちに啓示されたのが始まりと言われています。
アーユルヴェーダは、紀元前1,000年頃から紀元前500年頃に編纂されたと言われる、ヴェーダ文献(古代インドの宗教「バラモン教」の聖典)に体系立てて記録されています。
ヴェーダのサンヒター(本集)には、「リグ・ヴェーダ」、「サーマ・ヴェーダ」、「ヤジュル・ヴェーダ」、「アタルヴァ・ヴェーダ」の4つのヴェーダがあります。
アーユルヴェーダは、その4つの文献の中から、生命に関する知識を集大成したものです。
その後、アーユルヴェーダは、チベット、ペルシャ、中国、タイ、インドネシアなどのアジア諸国に伝わりました。
タイ古式マッサージは、アーユルヴェーダの名医であったとされるお釈迦様の主治医がインドからタイに広めたともいわれています。
インドネシア発祥の伝統医薬品であるジャムゥも、アーユルヴェーダの影響を受けたと言われています。
古代中国の白内障の手術は、インドからその手法が伝えられたともいわれています。
日本とアーユルヴェーダ
日本にアーユルヴェーダが伝わったのは、紀元前6世紀の仏教伝来の頃ですが、その頃は漢方医学などが中心だったため、アーユルヴェーダはあまり普及しませんでした。
江戸時代には、日本の南方諸島で、インドから伝わったオイルマッサージが行われていたそうです。
アーユルヴェーダの認知度が上がったのは、1970年代に入ってからです。丸山博大阪大学医学部衛生学教授らがインドを訪れ、アーユルヴェーダのすばらしさに感銘をうけ、日本で「アーユルヴェーダ研究会」を設立したのがきっかけです。