アーマとアグニ

以前に、プラクリティとヴィクリティについて書きました。

プラクリティとは、その人が持って生まれた本質です。プラクリティのバランスをとることが、その人が心身ともに健康な状態であるために大切なことです。

反対にヴィクリティとは、過剰という意味を持ちます。バランスを崩し、不調や病気に近い状態です。

プラクリティとヴィクリティ

では、バランスを崩し、過剰になったヴィクリティはどうなるのでしょうか?それを今日は書いてみます。

アーマとは

アーマは未熟という意味を持ち、バランスを崩すことで生じる、未消化物や老廃物のことを指します。

アーマは粘着性があり、体内のスロータス(血管、リンパ管、消化管、尿道、乳腺などの菅、通路)を塞いで詰まらせてしまいます。

そしてこのスロータス(経路)が詰まることが病気や老化の原因となると考えられています。

アーマが蓄積される原因

体内で充分に消化しきれなかった食べ物や過剰なドーシャは、アーマ(未消化物)となり、排出されずに体内に蓄積されていきます。

例えば、ヴァータ体質の人がヴァータを増やす食べ物ばかりを食べたり、ヴァータ的な行いを過剰に行った場合、体内でヴァータが増えすぎ、余ってしまいます。

そして、体内で余った未消化物や、多すぎるドーシャがアーマとなり、蓄積されて毒となり、病気の元となります。

アーマはただ単に食べ物の未消化物というだけではなく、心にも当てはまります。

例えば、ストレスが多い生活をしていると、心にアーマが蓄積されていき、イライラや鬱などの症状の原因となることがあります。

アグニとは

アグニは、火という意味を持ちます。消化と代謝のことです。アーマはきちんと消化が行われていれば発生しないと言われています。

アグニにもバランスがあります。冬は消化が強くなり、夏は弱くなると言われています。

アグニは昼間が最も活性すると言われています。その為、アーユルヴェーダでは、昼食の量を朝食や夕食よりも多くとるように勧めています。

アグニを高めるためには、食事の30分前に生姜の薄切りを食べると良いと言われています。

アグニが弱まると、消化不良になり、アーマが増えます。でもアグニが強すぎても、胃酸が増えすぎたり、下痢という症状が起きたりします。

アグニもバランスがとても大切です。

アーマとアグニまとめ

アーマ(未消化物)を溜めないためには、アグニ(消化)を活性化して、ヴァータ、ピッタ、カパがそれぞれ増えすぎないように、バランスをとることがとても大切です。