プラクリティとヴィクリティ

プラクリティとヴィクリティとは

プラクリティは、生まれ持った体質で、ヴィクリティとは、そのプラクリティのバランスが崩れて乱れている状態です。

プラクリティとヴィクリティは、正反対の意味を持つ言葉です。

私たちが、日々の生活で心身のバランスを上手にとるためには、自分が本来持っている、体質に近づけることが大切です。

生まれた時が、その人にとって最も自然な状態ですので、その後の生活習慣によっては、本来の体質とは、かけ離れていく場合があります。

例えば、不規則な食事や偏った食事、睡眠不足など不摂生が続くと、ヴィクリティは増えていきます。

体質がプラクリティに近ければ、心も体も健全な状態になり、反対にヴィクリティに近づけば近づくほど、不調や病気が現れます。

ヴィクリティが増えると、ストレスを受けやすくなります。

 

病気にいたる6段階

アーユルヴェーダでは、実際に体に病気の症状が現れる前に、病気の兆候が現れると考えます。

蓄積 … 単独または、複数のドーシャが過剰になり、蓄積する。
悪化 … 蓄積した過剰なドーシャが、正常な範囲を越える。
拡散 … 過剰なドーシャが、体全体に広がる。
局部化 … 体内に浮遊しているドーシャが、本来とは異なる場所に定着する。
顕在化 … ドーシャが定着した部分に症状が現れる。
混乱 … 病気が本格化する。

病気は、ドーシャのバランスの乱れから生じます。

食べ物の消化不良が原因で、体内に蓄積されたものをアーマ(毒素)と言います。

アーマには心理的なものもあり、それは、きちんと消化されなかった感情のしこりなどが原因となっています。

バランスの乱れたドーシャは、アーマが存在している場所に付着し、症状を悪化させます。

ドーシャのバランスを取り戻す

症状を悪化させる前に、日頃から、自分で出来ることで、ドーシャのバランスを良くしましょう。

ただ、重要なことは、これらの取り組みは病気を治療するものではないということを念頭に置いておきましょう。

アーユルヴェーダは、あくまで予防医学の為、実際に病気になってしまった方は、病院に行き、医師の診断に従ってください。

運動
食事
日課
季節の過ごし方

これらのことについて、次回以降に詳しく説明しますね。

サブドーシャについて

先にご紹介した3つのドーシャ(ヴァータ、ピッタ、カパ)には、それぞれ5つのサブドーシャがあり、全部で15種類あります。

不調の原因を調べるときに、サブドーシャを知っていると、さらに詳しい体の状態が分かります。

サブドーシャは、人間の体の中で、それぞれ対応する場があり、その場のバランスが乱れると、心身に不調が出やすいと言われています。

3つのドーシャそれぞれに、心臓に位置するサブドーシャ(プラーナ・ヴァータ、サーダカ・ピッタ、アヴァランヴァカ・カパ)があります。

心臓は、心と体の活動拠点となる重要な場です。

一般的には、3つのドーシャを把握していれば十分だと言われていますが、アーユルヴェーダを仕事にされる方は、サブドーシャについても学んだほうが良いでしょう。

ヴァータ

ヴァータは、神経系を通じて全身に位置する。ヴァータの5つのサブドーシャは、「身体の中に吹く風」とも呼ばれ、神経系を通じて、体の内部の動きと深く関連している。

プラーナ・ヴァータ

(場所)
脳、頭、胸・心臓

(乱れると)
不安、心配、杞憂(考えすぎ)、不眠症、神経障害、しゃっくり、喘息などの呼吸器の病気、緊張性頭痛など。

プラーナ・ヴァータは、他の4つのヴァータ・サブドーシャを統括する重要なサブドーシャ。

ヴァータは全身に深く影響しているドーシャなので、プラーナ・ヴァータもまた、すべてのサブドーシャの中で最も重要な役割を果たしている。

五感(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)や、思考力、推測力、感情、呼吸や嚥下を司っている。

ウダーナ・ヴァータ

(場所)
喉、肺

(乱れると)
言語障害、空咳、咽頭痛、扁桃炎、耳の痛み、全身の疲労など。

ウダーナ・ヴァータは、言語機能、思考、記憶を司る。

サマーナ・ヴァータ

(場所)
胃、腸

(乱れると)
消化不良、ガス、下痢、胃の痛みなど。

サマーナ・ヴァータは、胃から腸に食べ物を運ぶ機能や、蠕動を司る。

アパーナ・ヴァータ

(場所)
結腸、下腹部

(乱れると)
便秘、下痢、腸痙攣、大腸炎、胃腸障害、生理不順、前立腺肥大、性機能障害、筋痙攣を伴う腰痛など。

アパーナ・ヴァータは、老廃物の除去、性機能と月経を司る。結腸は、ヴァータの座でもあるので、ヴァータの不調は、この場所から現れやすい。

ヴャーナ・ヴァータ

(場所)
神経系、皮膚、循環系を通して全身にある。

(乱れると)
高血圧、血行不良、不整脈、ストレスによる神経障害など。

ヴャーナ・ヴァータは、主に循環を司っている。特に心臓の鼓動、血管の拡張と縮小、抹消の循環。その他に、血圧の調整や発汗、あくび、触感も司る。

ピッタ

ピッタは代謝を司り、体の熱や消化の機能を持つ。また視覚は、ピッタと関連する主要な感覚である。

パーチャカ・ピッタ

(場所)
胃、小腸

(乱れると)
胸やけ、胃酸、潰瘍、消化の不規則(消化力不足、消化力の過剰)など。

パーチャカ・ピッタは、食物の消化や、栄養の吸収を司っている。

ランジャカ・ピッタ

(場所)
赤血球、肝臓、すい臓

(乱れると)
黄疸、貧血、血液障害、皮膚の炎症、怒り、敵意など。

ランジャカ・ピッタは、赤血球の生成や、血液成分の調整、血管からの栄養の供給などを司る。

体内に滞る毒素は、ランジャカ・ピッタを通して、ピッタの不調の原因と考えられている。

サーダカ・ピッタ

(場所)
心臓

(乱れると)
心臓疾患、記憶喪失、情緒障害(寂しさ、怒り、心痛)、優柔不断など。

サーダカ・ピッタは、心臓の機能の他に、記憶力や、心理的な満足感なども司る。

アーローチャカ・ピッタ

(場所)

(乱れると)
目の充血、視覚障害、眼病。

アーローチャカ・ピッタは、視力や、心の窓としての目を司る。目と感情がリンクしている。カッとなって、怒りで周囲が見えなくなったり、目つきが怒っていたりすると、アーローチャカ・ピッタは乱れている。

ブラージャカ・ピッタ

(場所)
皮膚

(乱れると)
発疹、ニキビ、腫れ、皮膚がん、皮膚病。

ブラージャカ・ピッタは、皮膚と感情がリンクしている。ストレスを受けると、肌が荒れたり、ニキビが出来たりする。

カパ

カパの主な性質は、構造と湿気。味覚、聴覚も司る。カパのバランスの乱れは通常、胸から始まり頭へと広がっていく。

クレーダカ・カパ

(場所)

(乱れると)
消化障害(消化の遅れ、胃もたれなど)。

クレーダカ・カパは、胃壁を常に潤った状態に保つ。カパの乱れは、このクレーダカ・カパの胃に最初に現れやすい。

アヴァランヴァカ・カパ

(場所)
心臓、胸、腰

(乱れると)
胸部うっ血、喘鳴、喘息、うっ血性心不全、呼吸障害、無気力、腰痛など。

心臓はカパの座でもある。アヴァランヴァカ・カパは、胸、肺、背中を強靭に保つ。カパのスタミナはこのサブドーシャにある。

ボーダカ・カパ

(場所)

(乱れると)
味蕾障害、唾液腺障害など。

カパの人が、食べすぎや頻繁な食事をすると、味覚が鈍り、過食症になる恐れがある。偏食(味の偏り)は、肥満、食物アレルギー、粘膜のうっ血、糖尿病などのカパの病気の発症率が高くなる恐れがある。

タルパカ・カパ

(場所)
鼻腔、頭、脳脊髄液

(乱れると)
鼻づまり、花粉症、鼻かぜに伴う頭痛、臭覚障害、感覚鈍化など。

タルパカ・カパのバランスが乱れてくると、流れがつまったり、逆に流れ過ぎてしまったりする。鼻がつまったり鼻水が流れたりするのは典型的なカパの鼻の異常。

シュレーシャカ・カパ

(場所)
関節

(乱れると)
関節病

シュレーシャカ・カパは、全身の関節の潤滑さを司る。関節部分のヴァータが過剰になると、関節から潤いが失われてしまい、関節炎となる。ピッタの過剰は、関節が熱くなり、炎症を起こし、関節リューマチの症状が現れる。カパの過剰は、関節を緩ませ、水が溜まる。